林野庁 治山・林道工事コンクール表彰式

とき:令和5年2月16日(木)11時から

場所:林野庁長官室(農林水産省本館7階)

 令和4年度治山・林道工事コンクールは、3年ぶりに農林水産大臣賞及び林野庁長官賞の表彰授与が林野庁において開催されました。

 当日は、林土連定時総会に先立ち午前11時から、令和4年度治山・林道工事コンクール受賞者表彰式が霞ヶ関の農林水産省7階林野庁長官室において執り行われました。名古屋協会からは治山工事の部で西濃建設株式会社 代表取締役社長 宗宮郷さん、林道工事の部で付知土建株式会社 代表取締役 三尾和秀さんのお二人が長官賞を受賞されました。

西濃建設(株)
代表取締役社長 宗宮 郷さん
付知土建(株)
代表取締役 三尾秀和さん
織田林野庁長官から賞状を受ける西濃建設(株)代表取締役社長 宗宮郷さん
付知土建(株)代表取締役 三尾秀和さんの代理で賞状を受ける洞口儀弘専務理事
工事別署別工事名会社名役職名代表者名
治山岐阜署川上(池ノ又谷2)復旧治山工事西濃建設株式会社代表取締役社長宗宮  郷
林道東濃署臼ヶ久保林道災害復旧工事付知土建株式会社代表取締役三尾 秀和
名古屋協会の林野庁長官賞 賞状授与者
長官賞受賞者のみなさん(前列左から二人目は宗宮郷さん)と中央は織田林野庁長官と新谷林土連会長、
左隣は「みどりの大使」の上村さや香さん(林土連定時総会において)
林土連総会後、長官賞受賞者を紹介
祝辞を述べる織田 央 林野庁長官
当日は事務局も出席しました。当日朝の冷え込みは厳しく、東京駅から霞ヶ関の途中にある日比谷公園 鶴の噴水には氷が纏っていました。

表彰された工事

川上(池ノ又谷2)復旧治山工事
木製残存型枠を使用したコンクリート谷止工(堤長:19.0m、堤高:6.5m)
完成年月日:令和3年12月10日
施 工 者:西濃建設株式会社
代表取締役社長 宗宮 郷
現場代理人 小森 健司
主任技術者 小森 健司

 当該工事は、岐阜県西部に位置する揖斐川町川上国有林内において、木製残存型枠を使用したコンクリート谷止工(堤長:19.0m、堤高:6.5m)を施工したものである。工事の実施に当たっては、交通量の多い町道の使用やケーブルクレーンによる資材・重機の運搬のほか、作業者が池ノ又谷を渡河しなければならないなど厳しい作業環境下での施工であったが、適切な施工管理により当初の工程どおり無事故無災害での工事完成となった。また、工程管理においては、工程管理曲線を活用した方法により全体の進捗状況を把握しフォローアップを実施した。
 谷止工の施工に当たっては、保水性の高いコンクリート養生マットや木製残存型枠に径が均一なローリング丸太を使用し、コンクリート表面には、気泡抜き取り器具を使用するなど、出来形、品質を向上させる取り組みを積極的に行った結果、優れた品質が確保されている。安全対策においては、衛星携帯電話、AED及びケーブルクレーン用カメラ・モニター設置するとともに、歩行時の安全確保のため、急傾斜地へのステップ階段、渡河部における桟橋の設置など、創意工夫した取り組みを積極的に行った。また、生コン車往来時の交通誘導員の配置や町道の路面・路肩部の維持管理作業を行うなど、地域にも貢献した工事である。

臼ヶ久保林道災害復旧工事
延長54m (幅員3.6m)最急勾配16%
施工性を向上させるため二段式擁壁工の基礎部を階段状に施工
完成年月日:令和4年2月18日
施 工 者:付知土建 株式会社
代表取締役 三尾 秀和
現場代理人 輿 宏友
主任技術者 輿 宏友

 当該工事は、最急勾配が16%となっていることから、二段式擁壁工の基礎部を階段状に施工することでブロック擁壁工の施工性を向上させた。施工にあたっては、コンクリート路面工の施工時に寒中養生の方法を工夫し、箇所全体が保温されるよう練炭を配置するなど品質確保に努めた。
 安全対策については、独自に社内安全パトロールを実施し、適時是正を行うとともに、掲示物にはイラストを用いて作業員の配置状況、重機の位置や旋回範囲などを明示することで安全喚起を行った。また、鉄筋の露出した部分へ蛍光色のカバーを装着し視認性を高めることで、転倒などの事故を防止した。さらに、工事箇所への道中に待避所を設定することにより車両の位置把握を容易にするとともに、すれ違いや緊急時の対応を可能としていた。コンクリートブロック積の作業時には、パワースーツを使用し作業員の負担を軽減することで怪我の防止を図った。
 施工中、工事車両の通行に利用していたと林道霧ヶ原線においては隣接する土木会社と道路の安全利用に関する協議会を設け、地元車両優先の工事看板を設置し、交通へ配慮を行った。落葉時には側溝が見えづらくなることから道路の清掃を行い、カーブミラーや横断溝の清掃を自主的に行うなど道路の安全通行へ寄与した。令和3年8月豪雨により当該工事箇所が被災し床掘箇所が崩落するとともに、通勤路においても流出土砂の撤去が必要となるなど、復旧に約1か月を要したが、工程管理の見直し及び作業員の調整を適切に行うことで、4週8休を達成しつつ、当初の工期を延長することなく無事故で終えるなど、極めて施工管理に優れた工事であった。