安全パトロール&安全会議 ~富山支部~

 令和6年7月30日(火)、(一社)名古屋林業土木協会富山支部(高平公輔支部長)主催による富山森林管理署、魚津労働基準監督署との合同安全パトロール及び安全会議が開催されました。

 当日は、富山森林管理署からは鈴木 修 署長はじめ島光 芳典 総括治山技術官、更谷 航平 主事、魚津労働基準監督署から小森 圭悟 労働安全衛生課長、協会から富山支部10社10名と協会事務局が参加し、午前中は、上市町早月国有林の「小ブナクラ谷復旧治山工事」現場のパトロールを実施し、午後からは上市町文化研修センターの会議室において安全会議及び意見交換会が開催されました。

谷止工施工現場の安全点検
現場説明をする酒井建設(株)青木 政人 現場代理人と酒井 健吉 安全・技術対策委員
上流に設置された無線式水位観測所から受信される警報システムと施工現場を常時監カメラカメラ
施工地と現場事務所の位置
谷止工施工状況と安全設備の点検

 北陸地方はまだ梅雨が明けていないため、時折大粒の雨が降るあいにくの天気でしたが、このような天候でも大雨による急激な増水に備え安全に退避できるか警戒雨量の設定状況や避難措置方法など確認しつつ安全パトロールを全員で行いました。その後、現場事務所内の休憩部屋で魚津労基署小森安全衛生課長から講評をいただきました。午後からは魚津市内の会議会場へ移動し意見交換会及び安全会議が開催されました。

現場事務所での小森労基署安全衛生課長から講評を受ける参加者
現場事務所に設置されている衛星データ通信(スターリンク)と現場環境改善のPR看板

主な内容は、

 現地は急峻な山岳地帯の厳しい作業地で安全対策に十分注意を払い取り組まれており、現場はよく整理され総合的に良好な施工管理が行われているといった意見が多く出されました。また、現地の通信環境はLTEが辛うじて通じる状況ですが、衛星データ通信(スターリンク)が設置され、現地と本社及び森林管理署とも情報共有システムが活用されていました。このほか現場の監視カメラによりその画像は本社でも確認できるなど異常気象時の安全確保にも対策がはかられていました。富山署では今年度からこのほかの工事現場においても臨場による段階確認など衛星データ通信を利用した施工管理に取り組まれるとのことです。

安全パトロールでは労働基準監督署をはじめ参加者から、いくつかの更なる安全対策をということで意見がありました。

○雨量計・センサーの設置位置図を現場内でわかるように設置し明示

○警戒降水量が設定されているが基準にこだわらず退避・避難をすること

○ユニック車や放水路など周辺には立ち入り禁止の明示措置を

○生コンクリ-トバケットの玉掛ワイヤーに摩耗が見られた

○資材置き場は土砂崩れが可能性のある山側には設置しないこと

○落石防護ネットの浮きがみられる箇所があった

○キャットウォークの隅間が大きい部分があった

○型枠を吊り上げる際チェーンブロックを用いるようであるが鉄と鉄で滑りやすいので一考を

○脚立の適正な使用を

現場事務所周辺の点検の様子
現場事務所の各種表示板
現場事務所内での執務
安全会議及び意見交換会で講評される鈴木 修 富山森林管理署長(上市町文化研修センターに於いて)