令和4年度 林業土木技術講習会を開催しました
令和4年5月25日(水)~26日(木)
高山市の飛騨・世界生活文化センターにおいて、講師、スタッフ含め140名が参加して林業土木技術講習会を開催しました。
三尾秀和会長より技術者として技術向上に努める良い機会であり現場での安全確保、適正な施工管理に生かしてほしい。また、災害復旧含め多くの工事が発注され不調の案件も出ているが、森林・国土を守るための重要な工事、せっかく予算付けされた工事なので各会員が積極的に取り組んでいただきたい。など挨拶されました。
令和3年度治山・林道工事コンクール受賞工事を担当された、現場代理人、主任技術者の皆さんを会長より表彰していただきました。
引き続き、新井雅 安全・技術対策委員長から、適正な施工管理が可能となるよう林野庁や森林管理局へ各種の改善要望等に協会として努めておりそれに対する回答内容や働き方改革の推進のため現場作業の効率化や安全確保など委員会として取組方針等について講義いただきました。
つづいて、吉村社会保険労務士事務所の吉村庸輔氏より「リスクアセスメントを活用し現場で安全を作り込む」危険予知とリスクアセスメントの留意点、安全施工サイクルと作業計画の活用、職場内におけるハラスメントなどについて講義をいただきました。 →
午後は、中部森林管理局の 山崎敬嗣計画保全部長より中部森林管理局の令和4年度取組について説明があり、安全・安心への貢献とし令和3年度8月豪雨被害の復旧の推進、防災・減災国土強靱化のための5ヵ年加速化対策として森林の防災・保水機能を発揮させる森林整備、治山施設整備、大規模な山地災害への迅速な対応等について講義いただきました。
つづいて、中部森林管理局の 藤原司 治山課長より「山地災害の現状とその対応」と題し、気候変動に伴う降雨の形態変化、近年の主な大規模山地災害の発生状況と復旧状況、災害特性を踏まえた治山対策の新たな取組、治山施設の効果事例などについて講義いただきました。
つづいて、中部森林管理局の 郷原辰実 森林整備課長より「国有林における請負事業体等の労働安全の確保について」と題し、建設業・林業における労働災害発生状況、特に重機や車両の転落災害の事例と再発防止対策、労働安全に係る各種通知等の改正、林野庁発注者綱紀保持対策、公共工事等の適正な入札・契約などについて講義をいただきました。
初日の最後は、柳七郎 環境・社会貢献委員会委員長から、国有林防災ボランティア協定に基づく災害被害状況調査や社会貢献活動の取組状況、建設業におけるコンプライアンスと企業倫理で工事現場での不適切な事例を紹介され建設現場での関係法令遵守の重要性と注意喚起など講義をいただきました。
2日目は、中部森林管理局治山課 中村悟 設計指導官から「治山事業の適切な実施に向けて」と題し、国土の保全・山地災害防止対策の動向、流木対策における施工事例、森林土木工事等における林野庁の取組、設計積算要領・標準歩掛等の改正概要、治山工事における適切な施工管理(良い事例・悪い事例)、森林土木工事における特記仕様書の統一、情報共有システム実施要領概要など多義に渡り講義いただきました
つづいて、中部森林管理局治山課 山下勝好 災害分析対策官から令和4年度林野庁予算の概要、林道長寿命化対策、林道標準定規図の改正、林道規程改正、林道事業におけるICTを活用した業務フロー、工事支障木の取扱、建設機械借上げ、治山・林道工事コンクール、林道工事における木材利用等について講義をいただきました。
午後からは、「最近の治山調査について」と題し、(株)中部森林技術コンサルタントの 児波昌則 治山部長より建設コンサルタントの位置づけ、治山計画における調査・解析手法、木製構造物の施設点検調査、コンクリート構造物の施設点検調査などについて、国有林における調査箇所の写真等具体的事例を元に講義をいただきました。
高山労働基準監督署の 渡邊吉徳 監督課長からは、建設業の働き方改革の推進について、労働時間等の現状、改正労働基準法等の説明、働き方改革の他社事例の紹介関連法の概要、働き方改革への対応等についてご講義いただきました。
続いて、高山労働基準監督署の 奥洞雄也 安全衛生課長より、労働災害の現状、労働災害事例、建設工事計画届の作成について講義いただきました。
講師の皆様には貴重なご講演ありがとうございました。
本講習会は森林分野CPD並びにCPDS学習プログラムの認定を受けて開催しました。。