令和5年度 林業土木技術講習会を開催しました
と き:令和5年5月24日(火)、25日(水)
場 所:岐阜県高山市「飛騨・世界生活文化センター」企画展示室
参加者:講師、スタッフ、受講者(傍聴含め)計153名が参加しました。
事務局から二日間にわたる講習会の概要説明の後、新井雅 安全・技術対策委員長から、適正な施工管理が可能となるよう林野庁や森林管理局へ各種の改善要望等に協会として努めておりそれに対する回答内容や働き方改革の推進のため現場作業の効率化や安全確保など委員会として取り組みについてお話しいただき、その後、柳 七郎 環境・社会貢献委員会委員長から、国有林防災ボランティア協定に基づく災害被害状況調査や社会貢献活動の取組状況、建設業におけるコンプライアンスと企業倫理で工事現場での不適切な事例を紹介され建設現場での関係法令遵守の重要性と注意喚起など講義をいただきました。
続いて、高山労働基準監督署の 永田陽一署長から、講習会にあたっての労働災害防止への意識を高める有意義な機会としていただきたいとの挨拶をいただき、同労働基準監督署奥洞雄也安全衛生課長より、労働災害の現状、建設業における労働災害事例について講義いただきました。
初日の午後からは、中部森林管理局の 北村 大 森林整備課長より中部森林管理局の令和5年度の取組事項について、「新しい林業」実行プラン、立木公売物件情報公表、森林土木事業等の円滑な施工に向けた取組など、新たな取り組み事項を中心にご説明され、そのあと発注者綱紀保持対策、公共工事等の適正な入札・契約などについて講義をいただきました。
続いて、中部森林管理局の 藤原 司 治山課長より「中部森林管理局における治山・林道事業の主な取組」と題し、近年の大規模山地災害からの復旧に向けた取組状況や、豪雨災害に関する今後の治山対策の在り方検討会のとりまとめ概要、盛土規制法をめぐる動きなどについて講義いただきました。
続いて、中部森林管理局資源活用課 都竹昌和企画官(間伐推進)より「労働災害の撲滅に向けて」と題し、労働災害の発生状況と再発防止対策について、労働災害の事例を基に類似災害の防止対策の講義と国有林における労働災害への対応について講義をいただきました。
初日の最後は、三尾秀和会長から現場技術者として技術力向上に努める良い機会であり現場での安全確保、適正な施工管理に生かしてほしいとの主催者あいさつを受けた後、令和4年度治山・林道工事コンクール受賞工事を担当された、現場代理人、主任技術者の皆さんを会長より表彰していただきました。
二日目は、中部森林管理局治山課 小野 泰 設計指導官と森林整備課 太田 昭信 設計指導官から「設計積算要領・標準歩掛等の改正概要」「近年における山地災害の特徴等」「森林土木工事の適切な実施に向けて」と題し、国土の保全・山地災害防止対策の動向、流木対策における施工事例、森林土木工事等における林野庁の取組、設計積算要領・標準歩掛等の改正概要、工事写真から見た治山工事における適切な施工管理(良い事例・悪い事例)、森林土木工事における特記仕様書の改正など多義に渡り講義いただきました。
中部森林管理局お二人の講義の後、昨年名古屋協会が当番となった「林土連技術現地研修会」において、(株)加藤工務店代表取締役加藤政太郞さんが発表した「デジタル技術を用いた工事事例の紹介」のプレゼンテーションを、同じく(株)加藤工務店工務一課主任 大橋金幸さんから発表していただきました。
二日目午後からは、「近年ののり面緑化工技術」~緑の強靱化に向けて~と題し、国土環境緑化協会の戸来義仁技術委員より、緑化工の変遷、緑化工ののり面保護効果、留意点、獣害対策や生物多様性に配慮した緑化工法、防災機能の高い緑の強靱化に関する開発工法などについて、各地での施工事例を元に講義をいただきました。
続いて、講習会最後のカリキュラムでは、「国産木材を用いたカチオンフレーム工法の施工事例について」と題し、株式会社ライズ 依田 光宏 代表取締役より、誰でも組み立てやすい型枠支持材として様々な型枠現場で複合的に利用できるように開発された「カチオンフレーム工法」の土留め擁壁や根固めブロックなど、東濃署で施工した東股本谷右岸復旧治山工事など施工事例をもとに改良点なども交えて講義を受けました。
講師の皆様には貴重なご講演ありがとうございました。
本講習会は森林分野CPD並びにCPDS学習プログラムの認定を受けて開催しました。
← 今年も会場準備から当日の受付対応まで、青年部役員を中心にご協力いただきました。↓ありがとうございました。