ESD(選ばれる森林土木)R7林野庁キャラバンが開催されました

 ESD(選ばれる森林土木)に向けた取り組みに関する説明会及び意見交換会が中部森林管理局大会議室及びリモートにより開催されました。

日時:令和7年6月10日(火)13:30~16:10
場所:中部森林管理局大会議室及びWeb
出席者:林野庁9名(計画課、治山課、業務課、林政課)
    中部森林管理局21名(治山課、森林整備課)
    各森林管理署(所)93名(治山林道担当web含)
    長野林業土木協会2名
    名古屋林業土木協会4名
    合計129名

開催にあたり挨拶される有山隆史 林野庁計画課施工企画調整室長

 この会議はESD「選ばれる森林土木」の取り組み内容が広く周知されることを目的に、令和5年度から始まり今回で3回目の開催となりました。会議開催にあたり林野庁計画課 有山 隆史 施工企画調整室長から挨拶がありました。(以下挨拶要旨)

『本日は、この説明会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。名古屋、長野の林業土木協会の会員の皆様方におかれましては、林野公共をはじめとする林野行政全般に対しまして格別なご支援とご協力を賜っていただいていますことをまずもって御礼を申し上げます。
 また、森林管理局・署の治山林道また経理の担当者の皆さんにおかれましても、現場の最前線で森林土木業務の円滑な発注運営に取り組まれることに心より感謝を申し上げます。
 初めに先月中旬に、林道災害復旧工事等におきまして、請負事業体の重大災害が発生しました。憂慮すべき事態となっています。詳細な調査が待たれるところですが、いずれにしても林道からの重機の転落によるものでございます。 既に出水期に入ってますし、今後労働災害の防止の一層の徹底をぜひともお願いいたしたいと思います。
 本年2月下旬から3月にかけて、岩手県大船渡市をはじめとして、大規模な林野火災が発生しましたが、被災された方に心よりお見舞いを申し上げます。 林野庁では火災前の豊かな森林の回復に局署や自治体と連携し、全力で取り組んで参りたいと思っております。
 さて、我が国の森林資源は本格的な利用期を迎えています。このような豊かな森林を次世代に引き継いでいかなければなりません。林野庁では、伐採後の再造林をしっかり行って、切って植えて育てて、また切って使うという資源の循環利用のサイクルを確立していくために、林業経営の効率化と所得の向上、また、需要に見合うものへの集積、集約、木材の需要拡大と利用拡大、付加価値向上を図っていく必要があります。

 また、近年は降雨等による山地災害が激甚化、同時多発化しており、国民の生命財産を守るために防災減災、国土強靱化のための森林整備や治山事業を着実に実施していくことが一層重要になっています。
 このような中で本日のご参集の皆様方は、地域の守り手として山間部における災害復旧や事前防災対策を通じて、地域の安全安心の確保を担うとともに、森林、林業、木材産業の成長化に向けた施策を進める上でも、重要な位置づけになってございます。
 林野庁では令和2年度から関係の部局が連携しまして、森林の土木工事が行われる山間狭隘の急傾斜地の厳しい現場での工事が、地域の守り手である事業者の皆様に、選んでいただく、選ばれるように、適切な利潤の確保、生産性向上、安全性向上に向けた取り組みを継続しているところです。

 これまでの局署における取り組みの成果としまして、直轄治山工事における入札の不調不落発生率は、全国で令和元年度25%であったのものが直近の令和6年度は11%と、着実に成果も出てきているものと実感しております。
 本日の説明会を通じまして、取り組みの内容、趣旨を十分に理解していただき、また皆様方からの忌憚のないご意見を賜りまして、選ばれる森林土木に向けて、発注者、受注者で双方の共通認識を深めたいと考えております。
 最後になりますが、森林土木工事の円滑な推進、またご参集の皆様方のご健勝を祈念いたしまして、冒頭からのご挨拶とさせていただきます。 本日はどうぞよろしくお願い致します。』

 その後、林野庁担当官から資料に基づきこれまでのESDの取組(適正な利潤の確保、生産向上、安全性向上)や担い手三法の改正、ICT施工及び施工性の高い工法事例、発注者綱紀保持、概算数量発注方式、電子契約システム運用スケジュールなどの説明がありました。
 一連の説明を受け、その後、出席者により意見交換では、このキャラバンに向けて名古屋林業土木協会会員から出されていた意見要望事項を 野中 豊 安全技術対策委員長より意見要望事項の説明をされました。
 当日の資料及び名古屋協会から提出した意見、要望事項は会員専用サイト<会議資料(開催済み)に格納しています。