林土連第2回理事会が開催されました

日時、場所:令和5年9月5日 東京都 海運会館302会議室

林野庁から橘政行国有林野部長が来賓出席され全理事出席の下開催されました。

○新谷龍一郎 林土連会長 冒頭挨拶(要旨)

・今年度も各地での豪雨等災害が発生、被災された地域及び被災者の方々にお見舞いするとともに、被災地域の協会員の災害復旧の対応に敬意と慰労の言葉がありました。
・林土連では災害に強い国造りに取り組むとともに受注環境の整備に取り組んでいきたい。
・林野庁は、「選ばる森林土木」に尽力されていることに敬意を表する、今年度はキャラバンが実施され、現場一体となった意見交換の場として会員からは良かったとの声であった、今後も続けていただきたい、特に監督員と現場技術者の意見交換会は重要である。
・本日の理事会は、仙台市で開かれる技術現地研修会とR6に林土連事務所の移転に伴う費用の積み立てに関する案件を議論していただく。また、林野庁から幹部をお招きし4年ぶりとなる意見交換会を開催する

新谷龍一郎 林土連会長
橘 政行 国有林野部長
嶋田 理 業務課長
山内 三津雄 業務課企画官

○橘 政行 林野庁国有林野部長 来賓挨拶

①台風6,7号や九州豪雨をはじめ今年も広範囲な地域にわたり災害が発生した。協会員の復旧対応などに感謝、国有林においても職員を被災地へ派遣して対応したところ。今年度被災額は8月15日時点で520億(対前年度262%)、うち国有林は74億円(同199%)となっている。
②R6予算の概算要求について
林野関係予算要求額は3557億円(対前年度116.4%)
一般公共事業予算は2248億円(119.8%)シーリング枠一杯を要求している。来年度の目玉は花粉症対策で、治山は難しいが林道は要求に乗っかることができる。協会の皆様には予算獲得に向けて協力をお願いする。
③R2から取り組んでいる「選ばれる森林土木」は3年目を迎え一段落するが今後も引き続き取り組むこととしている。
④労働災害防止について、国有林では既に2件の死亡災害が発生している(保育間伐と治山での重機運搬事故)。労働災害の発生防止を強くお願いする。

 理事会終了後は林野庁から嶋田業務課長、山内三津雄業務課企画官、中島朝和計画課施工技術担当課長補佐による林野庁業務説明が行われました。

○嶋田 理 業務課長

①概算要求予算、シーリング枠一杯を要求している。予算確保は協会の皆さんにもご協力いただいている今後もお願いする。
②災害復旧箇所の対応について、順次発注していくことから協力を。持続的に森林土木事業継続していくためにも工事の確実な受注と事業実行をお願いする。
③選ばれる森林土木について、今後も続けていく考え。発注者として改善すべきものもあるが、受注者としても新しい技術手法を積極的に取り入れてもらいたいし、取り組みを局署に浸透させていきたい。
④労働災害について、林業や森林土木事業は条件の悪いところ(分野)という風潮がある、特に労働災害の発生はイメージを損なう最大要因となる。今年も死亡災害が発生している、労働災害の撲滅を各協会にお願いする。

林土連第2回理事会

<主な質疑応答>
○工事提出書類各種様式の簡素化について
Q:コンクリートポンプ計画書の提出は不要となったが必要ないということか。また、「監督職員が求めた(求める様式)場合は提出するという書きぶりがあるが書類を無くす取り組みを一層進めてもらいたい。例えば、提出と提示に分けた対応方法を設けるとか事務処理の簡素化の指示をお願いする。
また、写真管理と出来形管理についても同様で、監督職員が現地確認した場合は写真の提出を不要とするなど重複作業を無くすことなど進めてもらいたい。

A:発注者の指定様式による提出を無くして、会社の任意の様式で提出可ということにしている。
提出様式の削除、絶対数を減らして欲しいという要望については更に見直しを検討したい。

○林道通行の安全管理について
Q:ガードレールを付けないと転落事故は減らない。安全管理上の設置を検討するべきでないか。

A:全ての林道に設置することは物理的にも無理がある、が場所によっては必要と考えられるところもある。

○週休二日制にかかる工期設定について
Q:国有林の工事は発注段階で週休二日制の工期として設定し発注されているのか。市町発注工事ではそのようになっていない。
A:国有林での週休二日制導入工事は、R3は40%、R4が80%になっており、現在、国有林では週休二日制を前提とした工期設定で発注している。
Q:林野庁ではそのように認識されているが、署は3月末工期で設定している、署末端まで徹底されていないのではないか。繰越前提で発注すべきであり四国局ではそのようにやっている。

○通勤補正について
Q:現場事務所の位置づけが明確になっていない。工事現場の事務所には通信環境がないことから連絡体制がとれない。
A:現場に置かれているスーパーハウスを想定している。集合解散場所で現場事務所が8時半勤務開始であればその事務所となる。国有林では通勤補正を2段階にしたところである。

○電子契約について
Q:署まで遠距離であることから電子契約を導入することを検討してもらえないか。県発注は全て電子契約となっている。
A:電子契約を導入する場合、ネックとなるのは造林、生産事業者など電子化に弱い事業者も多くあることから一斉に導入できない面がある。森林土木から導入することも検討できるかもしれないので本庁内で検討したい。このような前向きな改善意見を今後もいただきたい。

○検査方法について
Q:国有林発注工事の完了検査は大勢の職員が検査に立ち会いし、古い機材を用いて時間をかけて計測検査される。ICT化を進めているなか、検査方法の簡素化を検討してもらえないか。

○林道予算について
Q:R5年度の林道予算は対前年度86%しかない。必要な改良・復旧工事を計画的に進めるためにも当初予算の確保をお願いしたい。